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ピアノの色味は撮影時の環境、お客様がお使いのモニター・プリンターによっても若干変わってきます。
ご購入を検討されているお客様はご来店の上現物をご覧ください。

C.BECHSTEIN  MODEL V  Inlaid Cabinet

このピアノは 19世紀後半から20世紀初頭に製造されていた
モデル名が数字(I〜V)の時期のものとなり生産期間は20年程度といったところです。
外枠のジョイントが3箇所からなり、4ピースキャビネット(通称
Fish-Tail Style)といわれています。
後に3ピースを経て最終的には1ピースとなりますので 進化の過程とも言えますが、
今からみると逆に古楽器の雰囲気を残しているように思います。

このピアノの特長としては 外観の優雅さもさることながら
耳に優しく疲れない木質の響きとタッチレスポンスです。
ピアニシモのコントロール性に極めて優れています。
アクション部分においては先進的で既に現代のタッチ感が確立されており、
120年を経たこのピアノが現在でも何の遜色もなく表現可能な事が
当時の最先端を証明しています。

当工房での修復の概要としましては下記の様となります。

  • 響鳴板及び駒の木工修理
  • フレーム塗装
  • 弦張替え
  • 象牙貼り直し
  • 鍵盤ブッシュをクロス(繊維)への貼替え
  • その他消耗部品類の交換

  • 尚、アクションメーカーはシュワンダー社製となり耐久性は抜群で、
    ハンマーフェルト及び細かな繊維類の貼替えにて十分使用可能な為
    アクションのオリジナル度は非常に高いと言えます。

    外注にて行ったのは
    低音弦製作 イギリス E.K.A.社
    ハンマーフェルト貼り替え フランス デフジェール社
    外装修理 艶消しオープンポア全塗装 国内
    となります。

小さな事ですが フレーム周りに使用したフェルトは
4ピースリム当時に使用されていたことがある色です。
ヨーロッパの部品屋さんにて 「
Bechstein Blue」 という商品名で販売されており、
それを使用してます。日本では見かけない綺麗な色合いですので
今までも多数のベヒシュタインの修復に使用しています。

このスタイルのベヒシュタインは 日本に入っている数は比較的少なく、
その中でも象嵌細工入りとなりますので 更に珍しいかと思います。
これ程贅沢なピアノが造られる時代は二度と訪れない事でしょう。
120年の歳月を引き継いでみてはいかがでしょうか。




演奏者:阿部悟    「幻想即興曲」
修理中の様子
 

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